パイはすごく難しいイメージがあったのに、最近は冷凍パイシートのおかげでお家でも手軽にパイを焼けるようになりましたよね。
アップルパイや、チョコパイ、キッシュなどいろんなパイに挑戦している方も多いと思います。
でも、せっかく焼き上がったのに
「オーブンから出したら、なんだか生焼けっぽい?」
「切ってみたら、底の生地がしっとりしてるけど、これって大丈夫?」
こんな状況になって不安になったことはありませんか?
そこで今回は、今まさにこういう状況に陥っている方や、「次こそ生焼けを防ぎたい!」という方にも役立つ、生焼けを見分けるポイントともし生焼けだった場合の焼き直し方法をわかりやすく解説していきます。

美味しいパイを作るために、ぜひチェックしてくださいね!
では、パイシートの生焼けの見分け方から見ていきましょう。
パイシートの生焼けの見分け方はここをチェック!

焼き上がったパイが生焼けかどうかは、次の3つのポイントでチェックすることができます。
- 見た目
- 型から取り出す時
- 切った時
順番に解説していきますね。
1. 見た目でチェックする
まずは一番わかりやすい「見た目」からチェックしましょう。
表面や裏面の色は?
表面の色は、全体に均一にこんがりきつね色になっていればOK。
色がまだ白っぽかったり淡い場合はまだ焼けていない可能性があるので、もう少し焼きましょう。
意外とチェックを忘れがちなのが「裏面」。
パイは表面より底のほうが火が通りにくいので、裏面も忘れないでチェックしましょう。
裏面も表面と同じく均一にきつね色になっていればOK。
もし白っぽかったり淡い色だと、焼きが足りないので追加で焼いて下さいね。

Xで裏面が生焼けの画像を見つけたので、色の参考に!
底面の状態は?
先ほどは色を見ましたが、底の状態を見るのもチェックのポイント。
底がサクッと焼けた感じではなく、しっとりと湿っているような感じだと生焼けの可能性アリです。
パイの膨らみは?
パイがきれいに膨らんでいるかどうかも生焼けを見分けるポイントになります。
焼けている場合はしっかりときれいに膨らむのに対し、膨らみが少なかったり平らな状態は生焼けの可能性も。膨らむまでもう少し焼いていきましょう。
2. 型からの取り出しやすさ
焼き上がったパイを型から取り出す時に、スムーズに取り出せるかどうかでも生焼けを判断することができます。
まず、型とパイの間にナイフなどを挿して、型から簡単に外れるかチェックしてみましょう。
十分に焼けているパイはスムーズに型から外れますが、型にくっついて外れにくい場合は、中に生地の水分がまだ残っているため、生焼けの可能性があります。
特に底の部分は生焼けになりやすいので、外しにくかったり、柔らかさを感じた場合はもう少し焼いていきましょう。
3. 切ってチェックする
一番確実なのは、実際に切ってチェックする方法です。
プレゼント用などでホールのまま仕上げたい場合はできませんが、自宅用や試作のときなら、この方法が一番分かりやすいのでおすすめです。
まず、パイは冷めてから、切れ味の良い包丁でカットしましょう。
こうすることでパイを崩さずに切ることができます。
切ったら、断面をチェック。
生地の層が薄く重なってサクサク感があるなら、ちゃんと焼けている証拠。
でも、層が見えずベタッと固まったような生地が残っているなら、そこはまだ生焼けです。
この方法なら、パイの焼き加減が一目で分かるので、ぜひ試してみてくださいね。

こちらも、Xで生焼けの画像を見つけたので参考にシェアします。
底の部分に生地の生っぽさが残っていますね。
ここまで、パイシートの生焼けを見分ける方法を紹介してきました。
でも「やっぱり生焼けだった……」と分かってしまったら、そのままにはしておけませんよね。

せっかく作ったパイ、どうにかして美味しく仕上げたい!
そこでここからは、生焼けになってしまったパイを上手にリカバリーする方法を詳しく紹介していきます。
こうしてリカバリー!生焼けパイの焼き直し方とは?

パイの生焼けは、オーブンやトースターで焼き直すことができます。
ただ、パイの種類によって、どちらを使ったほうがいいかは変わってくるんです。
そこでここからは、それぞれの使い分けと、焼き直しの方法を詳しく解説していきますね。
オーブンで焼き直す
- 向いているパイ:ホールで作ったパイ、具材が多いパイ
オーブンは庫内全体に熱が均一に行き渡るので、パイの中心や底にもしっかり熱を通すことができます。
そのため、ホールで作ったパイや具材の多いパイ(アップルパイやミートパイなど)の焼き直しにピッタリです。
焼き直し方
- オーブンを200℃に予熱
一度オーブンを開けているので、庫内の温度は下がっています。そのためもう一度焼く前にしっかりと予熱をしておきましょう。 - アルミホイルをかぶせる
全体に焼き色が薄い場合はそのまま焼いてOK。でも、すでに表面に焼き色がついている場合はそのままだと焦げてしまうので、アルミホイルを軽くかぶせてから焼いて下さい。 - オーブンにいれて焼く
まずは10分ほど焼いて様子を見ます。取り出したら、焼き色や型からスムーズに外れるかを確認して、まだ生焼けが残っている場合は追加で焼いていきましょう。
トースターで焼き直す
- 向いているパイ:小さいパイ、すでに切ったパイを数切れだけ焼く時
トースターはオーブンと違って、熱が中心まで届きにくいのが弱点。
でも、小さめのパイやカットされたパイなら、しっかり火が通りやすく、手軽に焼き直せるのでおすすめです。
焼き直し方
- アルミホイルをかぶせる
こちらもオーブンの時と同じく、表面に焼き色がついている場合は焦げてしまうので、アルミホイルを軽くかぶせて下さい。 - トースターに入れて焼く
ひとまず5分~10分ほど焼いて様子をみます。
トースターはオーブンと違って細かく温度調整ができないのと、アルミホイルをかぶせると中の様子が見えないため放置はNG。
焦げ付き防止のためにこまめにチェックして下さいね。

レンジで手軽に生焼けを解消できないの?

残念!レンジはサクサクにならないのでオススメできません
レンジで手軽に生焼けを直せたら楽なんですが、残念ながら、レンジはパイ生地のサクサク感を台無しにしてしまうので不向きなんです。
そもそも、レンジは食材の水分を使って温める仕組みなので、パイ生地の余分な水分がうまく飛ばずベチャッとしがち。
そのせいで、せっかくのサクサク感がなくなり、逆にしんなりしてしまうことも。
一方で、オーブンは外側から高温で全体をしっかり加熱してくれるので、余分な水分を飛ばしつつ、パイ生地のバターがちょうどいい感じに作用して、サクサクした食感になるんです。
美味しくリカバリーするなら、やっぱりオーブンやトースターがベスト!
ぜひ試してみてくださいね。
どうして生焼けに?原因と失敗しない焼き方を徹底解説!

ここまで、生焼けの見分け方やリカバリー方法を紹介してきました。
でも、せっかく焼き直しでリカバリーできたとしても、そもそも生焼けにならなければそれが一番ですよね。
そこでここからは、次のパイ作りに活かしてもらうために、パイがうまく焼けない原因を掘り下げながら、失敗しないための焼き方を詳しく解説していきます。
生焼けの原因はオーブン?
パイが生焼けになってしまう原因は、オーブンの設定や使い方に問題があることが多いです。
例えば
- オーブンが適切な温度ではない
- 焼くときの天板の位置
- 焼き時間が足りない
- オーブンのクセ
こうしたことが影響して、焼きムラができたり、生地の中まで火が通らなかったりすることがあります。
もう少し詳しくみていきましょう。
オーブンが適切な温度ではない
パイを焼くときはオーブンの温度管理がとても大事!
適切な温度で焼くことで、パイ全体にしっかり熱が入り、サクッとした食感の美味しいパイが焼けます。
でも適切な温度ではなく、低い温度で焼いてしまうと、外側は焼けているのに中が生焼けの状態に。
それを避けるには、レシピどおりの温度でオーブンの予熱をしっかり行うこと。
予熱をしっかりと行い、最初から適温で焼き始めると、火の通りも安定し生焼けを防ぐことができます。
オーブンの温度設定ひとつで、焼き上がりの美味しさが大きく変わるので、きちんとした温度管理を意識していきましょう。
焼くときの天板の位置
意外と盲点なのが、オーブンの天板を入れる位置。
オーブンは上段、下段と天板をいれる位置が分かれていますが、どこにいれるかで焼き上がりが変わってきます。
この時に上段に入れてしまうと、表面に早く焼き色が付きやすく、これで焼けたと判断すると底が生焼けになってしまう場合も。
そのため、基本的には下段に入れて焼いていきましょう。
ただし、オーブンに付属している説明書やレシピブックが手元にある場合は、天板をどこの段に入れればいいか書いてあることが多いので、ぜひ確認を!
もし、手元にない場合は、下段に入れて焼いていきましょう。
上段、中段、下段と分かれている場合は、中段と下段、両方試して下さいね。
焼き時間が足りない
パイが生焼けになる原因は、焼き時間が足りない可能性も。
焼き時間が短いと中までしっかり火が通らないため、結果生焼けになってしまいます。
例えば、表面に焼き色がついたので「もう焼けたかな」と取り出したものの、切ってみると中まで火が通っていなかった……なんてことも。
こうした失敗を防ぐためにも、レシピに書かれている時間は守って焼いていきましょう。
ただ、このまま焼くと焦げそうと感じたら、表面に軽くアルミホイルをかぶせて焼き続ければOKです。
意外と大事!オーブンのクセを知る
ただ、レシピ通りに温度や時間を守ったとしても、オーブンはメーカーによってクセがあるので、うまくいかない場合もあります。
そのため何度も焼いてみて、オーブンのクセを把握することが大切。
最初はレシピ通りを守りつつも、ダメな場合は予熱の温度をレシピより高めにするとか、焼き時間を伸ばしてみるなど、使用するオーブンにあわせて適切なものに変えていきましょう。

一度オーブンのクセを掴むと、他のお菓子作りでも役に立つので、“仲良くなる”つもりで試してみて下さいね。
フィリングが原因の場合も?!
オーブンの他に、アップルパイなど、中に入れるフィリングが原因で生焼けになる場合もあります。
例えば
- フィリングの水分が多すぎる
- フィリングをのせてから時間をかけすぎている
- フィリングを詰めすぎている
などです。
フィリングの水分が多すぎる
パイの中に入れるフィリングの水分が多すぎると、生焼けの原因になります。
これは、フィリングの水分がパイ生地の底に染み込んでしまい、温度が上がらないためで、アップルパイの底がベチャッとしてしまうのもここに原因があります。
そのため、中に入れるフィリングは水分をしっかり飛ばし、冷ます時はキッチンペーパーの上に置いて水分を吸い取るようにしましょう。
それでも不安な場合は、水分が流れ出ないようにフィリングに小麦粉やコーンスターチを入れてとろみをつけておくと安心です。
また、パイ生地に
- バターで炒めたパン粉をのせる
- スポンジ生地やカステラをのせる
- クッキーやビスケットを砕いたものをのせる
ことも、水分を吸い取ってくれるのでおすすめです。
フィリングをのせてから時間をかけすぎている
フィリングを生地にのせたあとに時間をかけすぎると、これも生焼けの原因に。
飾り付けなどで時間をかけてしまうと、フィリングに残っている水分を生地が吸い取ってしまい、ベチョッとなってしまいます。
もし初心者で飾り付けなどに時間がかかりそうな場合は、先ほど紹介したような、パイ生地にスポンジ生地やクッキーの砕いたものをのせるなどの対策をしておくと、安心して作業できるのでおすすめです。
またオーブンの予熱も忘れがちなので、手早く焼くためにオーブンの予熱は先に済ませておきましょう。
フィリングを詰めすぎている
パイの中身がたくさん詰まっていると美味しそうに感じますよね。
そのため、ついついフィリングの量を増やしてたっぷり入れたくなりますが、これも結果的にフィリングの水分量が多くなってしまうので、生焼けになる原因になってしまいます。
まだ焼き慣れていなくて、どれくらいまでなら入れても大丈夫か量を把握できていない間は、フィリングもレシピの量を守りましょう。
何をしても生焼けになる場合は?
それでも生焼けになってしまう場合は、あらかじめ底だけ軽く焼いておく「空焼き」という方法もおすすめです。
特に生焼けしやすい底の部分を先に焼いておくことで、失敗を防ぎやすくなりますよ!
生地を空焼きする方法
- パイシートを解凍する
パッケージに記載されている時間どおりに解凍しましょう。もし書いていない場合は冷蔵庫で30分、または室温で5~10分を目安に半解凍にします。中心部分を指で軽く押してへこむ程度に解凍できたらOK。 - パイ皿やタルト型に生地を敷き込む
バターやオイルを薄く塗っておくと、型に生地がくっつくのを防げます。 - パイシートの底にフォークでまんべんなく穴を開ける
焼いている間に水蒸気や空気が抜け、ムラなく膨らんで失敗しにくくなります。 - パイシートを一度冷蔵庫に入れて冷やす
生地を引き締めると同時に、オーブンの予熱中に生地に織り込まれているバターが溶けるのを防ぎます。 - オーブンを180℃で予熱する
- 予熱が終わったらパイ生地に重石をのせる
パイの膨らみ防止に、生地にクッキングシートを敷き、タルトストーンなどの重石をのせます。なければ生米や小豆で代用OK。 - 180℃で10~20分ほど焼いて取り出す
ふちに焼き色がつくまで焼き、一度取り出します。 - 重石を取り除き、再びオーブンで焼いて完成
クッキングシートごと重石を取り除き、再び10分ほどオーブンに入れて、重石が載っていた生地の部分をしっかり焼きます。
こうすることで底の生地の水分をしっかり飛ばすことができ、生焼けを防ぐことができます。

ここまでのポイントをうまく活用して、美味しいパイを作ってくださいね!
「冷凍パイシートでパイを作っても”サクサク”にならない……」という悩みをお持ちの方は、こちらの記事も参考にどうぞ!
パイシートが生焼けでも食べれる?気になる安全性と対処のヒント

「見た目は焼けてるのに、なんだか中がしっとりしてるかも…」
そんなとき「このまま食べても大丈夫なのかな…?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、一見すると問題なさそうに見えても、生焼けのまま口にするのはおすすめできません。
この章では、生焼けのまま食べることのリスクと、それを防ぐための対処法をご紹介します。
なぜ生焼けのまま食べるとNGなの?
市販の冷凍パイシートは、必ず焼いてから食べることを前提に作られています。
そのため、焼きが甘いまま食べてしまうと、次のようなリスクがあるんです。
- 小麦粉のでんぷんが消化されにくく、胃腸に負担がかかる
- 中の温度が低いと、まれに食中毒になることも
- 胃腸が弱い人や、小さな子ども、高齢の方は特に注意が必要
見た目は焼けているようでも、中まで火が通っていなければ、加熱不足の小麦粉や油分がそのまま残ってしまうことも。
とくに、厚みのある生地や具材たっぷりのパイは、中心まで火が入りにくく、表面は焼けているのに中は生焼けといった”焼きムラ”が起こりやすいです。
この状態で食べると、消化不良を起こしたり、まれに食中毒など体調を崩す原因になることもあります。特に小さなお子さんや高齢の方、妊婦の方などは十分に気をつけましょう。
ぱっと見で焼けているように見えても、中までしっかり火が通っていないケースは意外と多いものです。
「見た目だけで判断しないこと」も大切なポイントとして覚えておいてくださいね。
食べてしまった場合の影響は?
もし「もう食べてしまった!」という場合は、少量であればすぐに体調を崩すケースは少ないですが、食べた量が多かったり個人の体調によっては以下のような症状が現れる場合があります。
- 胃もたれ、違和感
- 食後に気分が悪くなる
- 下痢や腹痛
- 嘔吐
症状が現れたら安静にして様子を見つつ、ひどくなったり長引くようであれば、早めに医療機関を受診してください。
食べる前に焼き直してトラブルを防ごう!
「ちょっと生っぽいかも?」と感じたら、その時点で焼き直すのが一番確実で安全です。
せっかく作ったパイで体調を崩してしまったら、悲しいですよね。
そんな事態を防ぐためにも、迷ったら一度焼き直すのがおすすめです。
今回は、パイシートの生焼けの見分け方や焼き直し方、生焼けになる原因や防ぐコツまで、たっぷりご紹介しました。
生焼けの原因や対処法って、知っているようで意外と曖昧なままになりがちですよね。
この記事が、そんなモヤモヤを少しでもスッキリさせるお手伝いになっていたらうれしいです。
パイ作りは、ちょっとしたコツの積み重ね。
でもそのコツさえ押さえておけば、もっと気楽に、もっと美味しく焼けるようになりますよ!

次にパイを焼くときは、今回のポイントを思い出しながら、楽しんでチャレンジしてみてくださいね。
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