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【ネパール国旗】比率の秘密とは?無理数や書き方をわかりやすく解説!

ネパール国旗について考える男性 世界あれこれ

世界の国旗のほとんどが長方形なのに、四角形ではない独特な形を持つネパールの国旗。

実はこの形、見た目のインパクトだけでなく、数学的にもとても奥深い仕組みになっています。

特に注目すべきは、ネパール国旗に使われている比率。

作図の手順は憲法で細かく定められており、そこから導き出される比率には、精密な構造、数学的な美しさ、そして文化的な背景がしっかりと詰め込まれています。

この記事では、そんなネパール国旗の比率の謎や、正確な作図方法について、動画やエピソードを交えながらわかりやすく解説していきます。

ネパール国旗の比率は?なぜ「無理数」が使われているの?

無理数について考えている男性のイラスト

ネパール国旗の縦横の比率は、

{\displaystyle 1:{\frac {6136891429688-306253616715{\sqrt {2}}-{\sqrt {118-48{\sqrt {2}}}}\left(934861968+20332617192{\sqrt {2}}\right)}{4506606337686}}} ≈ 1:1.21901033…(オンライン整数列大辞典の数列 A230582

となり、無理数を含む。

引用:ネパールの国旗 – Wikipedia

つまり、おおよそ1 : 1.21901033…

一見するとただの数字のようですが、実はこの比率、単純な整数では表せない“無理数”を含んだ、かなり複雑な構造になっています。

では、どうしてそんな難解な比率になったのでしょうか?

ここからは、ネパール憲法に記された作図方法をもとに、比率の計算の仕組みを少しだけのぞいてみましょう。

比率の中身を解剖!無理数が生まれる作図のしくみとは?

ネパール国旗の縦横比は、実は定義されているわけではありません。

この比率は、憲法に記された手順どおりに作図したときに自然と現れるものなんです。

💡おおまかに作図の手順をたどると……

まず、基準となる横の線を引くところから始まります。
 ↓
そこから、特定の角度(たとえば tan⁻¹(3/4) に相当する角度)を作り
 ↓
斜めの線を引いたり
 ↓
√(1² + (3/4)²) のような辺の長さを求めたりしながら

ひとつひとつ手順を積み上げていきます。

こうした工程のなかで、√(ルート)を含む長さや角度が繰り返し登場するため、最終的な縦横の比はどうしても分数では表せない無理数になるわけです。

そもそも「無理数」ってなに?

「無理数って言われても、ちょっとピンとこない…」という方もいるかもしれません。

無理数とは、「分数で表せず、しかも小数が永遠に続いて規則性がない数」のこと。

💡たとえば

  • 円周率のπ(パイ)= 3.14159…
  • 直角三角形の計算で使われる√2(ルート2)= 1.4142…

などがその代表です。

どんなに小数が続いてもスパッと割り切れず、規則的に繰り返されない数値のことですね。

ネパール国旗の比率にこうした複雑な数字が出てくるのは、作図の過程で「ぴったり割り切れない長さ」を扱う場面がいくつもあるから。

図形を正確に描こうとすると自然と√(ルート)やtan(タンジェント)といった数学的な要素が組み込まれてしまうんですね。

世界一きっちり決められた国旗の比率

この比率が導かれる国旗の書き方は、ネパール憲法によって正式に定められています。

💡最初に定められたのは1962年。
憲法の附属第1条「国旗について」で書かれたことでした。

ここでは国旗を正確に書くための作図手順が、なんと24ステップにわたって細かく記されています。

その後、1990年、2015年で憲法が改正されてからもこの書き方は引き継がれています。

国旗のデザインをここまで厳密に、しかも憲法という形で明文化している国は、世界でもネパールだけかもしれません。

「そこまでする必要あるの?」と思うかもしれませんが、実はそこにはちゃんとした理由があります。

ネパール国旗の”特異な形”を忠実に再現するため

今でこそ、ネパール国旗の形は「厳密に決まっているもの」として知られていますが、かつてはそうではありませんでした。

明確なルールがなかったため、角度や比率も書く人によって違っていて、同じ国旗でも微妙に形がズレてしまうことがあったのです。

ネパール国旗は世界でもめずらしい形をしているからこそ、ルールがないと形があいまいになってしまいやすいんですね。

そこで、誰が描いても同じ形になるように、憲法で作図方法を定めて”統一性と神聖さを保つ”方法が選ばれたわけです。

シンプルな国旗が多い中で際立つ”ネパール国旗の比率”

ネパール国旗の比率がどれほど特別なのかを実感するには、他の国の国旗と比べてみるのがいちばんわかりやすいかもしれません。

世界の多くの国旗は、「2:3」や「1:2」など、単純でわかりやすい整数比で作られています。

例えば、

  • スイスの国旗は「1:1」
  • 日本の国旗は「2:3」
  • イギリスの国旗は「1:2」

という具合です。

こうした比率は覚えやすく、誰でも同じ形を再現しやすいのが特徴です。

それに対して、ネパール国旗の比率は「1:1.219…」。

このように無理数を含む複雑な比率は、他国にはほとんど見られません。

数字だけ見ても、ネパール国旗がいかにユニークで、世界に一つしかない存在であるかが伝わってきます。

【ネパール国旗の書き方】図形が苦手でも書ける方法教えます!

ネパールの国旗を描いている男性

ここまでネパール国旗の比率や構造を知って、「自分でも描いてみたい!」と思った方もいるかもしれません。

でも実際に描くとなると、

  • 定規やコンパスを使って
  • ネパール憲法に明記された公式な手順に従い
  • 24ものステップを順番に進める

といった工程が必要になります。

ちょっとハードルが高そう…と感じますよね。

そんなときにおすすめなのが「動画を見ながら描く方法」です。

ネパール国旗の書き方は”動画”で学ぶのがおすすめ!

動画なら、ひとつひとつの工程を目で確認しながら進められるので、図形や数学が苦手な方でも理解しやすくなります。

たとえば、

  • 線をどの位置に引くのか
  • どの角度を取るのか
  • 補助線の引き方や使い方

などもひと目でわかるので、スムーズに再現できておすすめです。

こちらの動画は特にわかりやすいです👇️

1990年のネパール王国憲法・第5条附則1に基づいたネパール国旗の描き方がとても丁寧に説明されています。

ただ、解説は英語なので、ちょっとわかりにくいと感じる方もいるかもしれません。

そんな方のために、書き方のステップを日本語でわかりやすく翻訳しました。

図形が苦手な方でも迷わず進められるよう、一部補足も加えてあります。

「ネパール国旗を正確に描いてみたい!」という方は、動画と翻訳を照らし合わせながら、ぜひ参考にしてみてくださいね。

👇️クリックすると、日本語での作図ステップが表示されます!

  • Step 1
    まず、縦軸となる線ABを左から右へ引きます(2や3で割れる長さが便利です)。

  • Step 2
    点Aから、ABに垂直な直線ACを引きます。

    ACの長さは、ABの長さにその1/3を加えた長さにします。

    AC上に点Dを取り、ADの長さがABと等しくなるようにします。

    その後、点Bと点Dを直線で結びます。

  • Step 3
    BD上に点Eを取り、BEの長さがABと同じになるようにします。

  • Step 4
    点Eを通り、AC上の点Fから右方向へABと平行な直線FGを引きます。
    FGの長さもABと等しくします。

  • Step 5
    点Cと点Gを結びます。


    -------------
    これでネパール国旗の独特な二重三角形の土台が完成します。

    次は上部の三日月の描画になります。
    -------------

  • Step 6
    AB上に点Hを取り、AHの長さがABの1/4になるようにします。

    点HからACに平行な直線HIを引き、線がCGと交わる点をIとします。

  • Step 7
    CFの中点をJとし、そこからABに平行な直線JKを引いて、CGと交わる点をKとします。

    HIとJKが交わる点をLとします。
  • Step 8
    点Jと点Gを結びます。
    JGとHIが交わる点をMとします。
  • Step 9
    点MとBDの間で、最短距離を測ります。

    その長さだけ、HIの下側に点Nをマークします。


    【補足】
    点Mを中心とし、コンパスでBDに触れる大きさの円を描きます。
    その円とHIの線が交わったところを点Nとします。

  • Step 10
    点Mに接し、AC上の点Oから、ABに平行な直線を左から右へ引きます。
  • Step 11
    中心をL、半径をLNとして、下方向に半円を描きます。

    この半円がOM線と交わる2点を、それぞれPとQとします。

  • Step 12
    中心をM、半径をMQとして、下方向にPとQに接する半円を描きます。
  • Step 13
    中心をN、半径をNMとして、円弧を描きます。

    この円弧がPNQの弧に接する2点を、それぞれRとSとします。

    RとSを直線で結びます。

    RSとHIが交わる点をTとします。

  • Step 14
    中心をT、半径をTSとして、PNQの上側に半円を描きます。
    この半円は、PNQの弧に2点で接するようにします。
  • Step 15
    中心をT、半径をTMとして、PNQの上側にさらに円弧を描きます。

    この円弧も2点でPNQの弧に接します。
  • Step 16
    三日月の部分には、前の半円と円弧に挟まれたスペースに、等しい大きさの三角形を8個描き入れます。


    -------------
    これで上部の三日月は完成です。
    次は下部の太陽の描画になります。
    -------------

  • Step 17
    AFの中点Uを取り、そこからABに平行な線UVを引き、BEと交わる点をVとします。
  • Step 18
    HIとUVが交わる点をWとし、中心W、半径MNで円を描きます。
  • Step 19
    中心W、半径LNでさらにもう1つ円を描きます。

  • Step 20
    太陽の部分には、2つの円に挟まれたスペースに、等しい大きさの三角形を12個描き入れます。

    そのうち2つの三角形の頂点は、HI線に接するように配置します。


    -------------
    これで太陽は完成です。
    最後に旗の縁を描きます。
    -------------

  • Step 21
    縁取りの幅はTNと同じ長さにします。

    縁取りは濃い青色で、国旗のすべての辺に施されます。

    旗の5つの角では、外角と内角が等しくなるようにします。
  • 完成!
    これで作図は完成です!お疲れさまでした 🎉
    あとは仕上がった旗の美しさをじっくり味わってくださいね。

もっとネパール国旗について知りたい時は?

ここまで、ネパール国旗の比率や書き方をご紹介してきました。

ネパール国旗には他にも、独特な形やデザインにまつわる話がたくさんあります。

ここには書ききれなかった

  • なぜ三角形なの?
  • 赤や青にはどんな意味があるの?

などの情報は👇️こちらの記事にわかりやすくまとめています。

また、

  • ネパールの国旗って昔は「顔」だったって本当?
  • ネパール国旗はオリンピックではどうしてるの?

などの気になるアレコレについても解説していますので、ぜひチェックしてくださいね!


今回はネパール国旗の比率から、実際の書き方までをわかりやすくご紹介しました。

一見するとややこしく感じる無理数の登場も、国旗の形を正確に再現するためだと知ると、そのこだわりに納得がいきますよね。

作図の手順も少し難しそうに見えるかもしれませんが、動画を見ながらなら定規とコンパスで書くことができるので、興味を持った方は、ぜひ一度チャレンジしてみてくださいね。

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